二十日正月はお正月行事の締めくくりの日で、
各地で様々な行事食が振る舞われます。
この記事では二十日正月の由来と意味、そして地域ごとの伝統的な食べ物について詳しく解説します。
特に「骨正月」「麦正月」「ふなんこぐい」といった行事食に焦点を当て、簡単なレシピも紹介します。
この記事を読んで分かること
- 二十日正月に各地で振る舞われる伝統的な行事食
- 骨正月、麦正月、ふなんこぐいのレシピ
- 二十日正月と鏡開きの関係
二十日正月とは?
二十日正月は1月20日に行われる伝統的な行事で、
お正月の終わりを意味します。
この日には歳神様が各自の居場所に戻るとされており、
各地でお正月の残り物を使った料理が振る舞われます。
地域によって異なる食文化が楽しめるのも特徴です。
二十日正月の由来と意味
二十日正月はお正月行事の終わりを告げる日です。
松の内が明け
成人の日も過ぎ
生活が通常に戻るこの時期に
歳神様がそれぞれの居場所に帰るとされています。
二十日正月は「終い正月」や「正月納め」とも呼ばれ、
お正月の飾り物を片付け、
正月行事を締めくくる日でもあります。
お正月とは新年を迎えるための行事で、
歳神様をお迎えすることから始まります。
この歳神様が1月20日に帰るため、
二十日正月にはそのお見送りをする意味合いがあるのです。
地域ごとの風習や食べ物を通じて、
二十日正月の意味を感じることができます。
二十日正月の食べ物とは?
二十日正月の食べ物は地域によって異なりますが、
お正月の残り物を活用した料理が多いです。
特に「骨正月」「麦正月」「ふなんこぐい」といった行事食が有名です。
これらの食べ物は、お正月の最後を飾る重要な料理として振る舞われます。
それぞれの地域の代表的な行事食を詳しく紹介します。
「骨正月」:お正月の残り物を活用した料理
「骨正月」とは、お正月に用意した魚が食べ尽くされ、
骨だけが残ったことから名付けられた行事食です。
この日は、魚の頭や骨を使って料理を作ることが一般的です。
例えば、鰤や鮭のアラを大根と一緒に煮込む「アラ煮」や
酒粕と共に煮込む「粕汁」があります。
粕汁は酒粕を使った温かい汁物です。
鰤や鮭のアラ、大根、人参、こんにゃくを煮込んだ後、酒粕を加えてさらに煮ます。
酒粕の風味が豊かで、体も温まる一品です。
これらの料理は、家族みんなで楽しめる伝統的な二十日正月の味です。
「麦正月」:麦飯ととろろの組み合わせ
「麦正月」とは、麦飯ととろろを食べる風習のことです。
麦飯は、米と麦を混ぜて炊いたご飯で、
昔から日本の食卓に親しまれてきました。
とろろは、自然薯や長芋をすりおろしたものを使います。
麦飯ととろろの組み合わせは、西日本でよく見られます。
麦飯を炊き上げ、とろろをかけるだけのシンプルな料理ですが、
栄養価が高く、消化も良いのが特徴です。
とろろには醤油やだしを加えて味を整えると、一層美味しくなります。
また、麦飯ととろろは、忙しい正月明けに胃腸に優しく、手軽に作れるので、現代でも人気があります。
地域によっては麦飯にとろろだけでなく、
卵黄や海苔を加えることもあります。
自宅でも簡単に作れるので、ぜひ試してみてください。
佐賀県の「ふなんこぐい」:鮒の昆布巻き煮込み
佐賀県の二十日正月には「ふなんこぐい」という伝統料理があります。
これは、鮒を昆布で巻き、大根やゴボウなどと一緒に煮込んだものです。
特に、鹿嶋市でよく作られています。
ふなんこぐいは、二十日正月の祝い膳として振る舞われます。
地元の市場では、この時期になると鮒や昆布が多く売られます。
地域の行事としても重要で、家族や友人と一緒に楽しむことが多いです。
伝統を感じながら味わうふなんこぐいは、心温まる一品です。
二十日正月の行事食のレシピ
二十日正月には、各地で様々な行事食が振る舞われます。
ここでは、代表的な行事食のレシピを紹介します。
家で簡単に作れるものばかりなので、ぜひ挑戦してみてください。
骨正月のアラ煮の作り方
骨正月のアラ煮は、お正月の残り物を使った伝統的な料理です。
【材料】
- 鰤や鮭のアラ…500g
- 大根…1本
- ゴボウ…1本
- 醤油…大さじ4
- みりん…大さじ3
- 砂糖…大さじ2
- 水…適量
【作り方】
- アラを塩で洗い、水でさっと煮てアクを取る。
- 大根とゴボウを一口大に切り、鍋に入れる。
- アラと調味料を加え、水をひたひたに注ぐ。
- 中火で煮立てた後、弱火でじっくり煮込む。
- 味が染み込んだら完成。
アラ煮は魚の旨味がたっぷり詰まった料理です。
大根やゴボウも味が染み込み、美味しく仕上がります。
麦正月の麦飯ととろろのレシピ
麦正月には、麦飯ととろろの組み合わせが定番です。
【材料】
- 米…2合
- 麦…1合
- 自然薯や長芋…適量
- 醤油…適量
- だし…適量
【作り方】
- 米と麦を混ぜて炊く。
- 自然薯や長芋をすりおろし、醤油とだしで味を整える。
- 炊き上がった麦飯にとろろをかけて完成。
麦飯ととろろは、シンプルながら栄養豊富な料理です。
忙しい時期でも手軽に作れるので、ぜひ試してみてください。
二十日正月の時期だけじゃなく、夏場にもおすすめです。
ふなんこぐいのレシピ
佐賀県の伝統料理ふなんこぐいの作り方を紹介します。
【材料】
- 鮒…2尾
- 昆布…適量
- 大根…1本
- ゴボウ…1本
- 醤油…大さじ4
- みりん…大さじ3
- 砂糖…大さじ2
- 水…適量
【作り方】
- 鮒を昆布で巻く。
- 大根とゴボウを一口大に切る。
- 鍋に水、醤油、みりん、砂糖を入れて煮立てる。
- 鮒、大根、ゴボウを加え、弱火でじっくり煮込む。
- 味が染み込んだら完成。
ふなんこぐいは、鮒の旨味と昆布の風味が合わさった料理です。
佐賀県の伝統を感じながら楽しめる一品です。
二十日正月の関連行事
二十日正月には、他にも様々な関連行事があります。
ここでは、鏡開きとの関係について紹介します。
二十日正月と鏡開きの関係
昔は二十日正月に「鏡開き」を行うのが一般的でした。
鏡開きとは、お正月にお供えした鏡餅を雑煮やお汁粉にしていただく行事です。
この行事を通じて、一家の円満と無病息災を願います。
鏡開きの日が1月20日から1月11日に変わった理由は、
江戸時代の三代将軍徳川家光が4月20日に亡くなったことに由来します。
これにより、月命日を避けて鏡開きの日を変更したのです。
現代では、地域によって鏡開きの日が異なりますが、
二十日正月に行う地域も少なくありません。
鏡開きを通じて一年の健康と家庭の繁栄を願う風習は、
今も大切にされています。
まとめ:二十日正月の食文化を楽しもう
二十日正月はお正月の締めくくりとして、地域ごとの伝統的な食べ物を楽しむ日です。
- 骨正月
- 麦正月
- ふなんこぐいなど、
各地の行事食を通じて、古くからの風習を感じることができます。
家族や友人と一緒に二十日正月の料理を楽しみながら、
新しい一年を迎える準備をしましょう。
まだ、お正月に用意したお餅や食材が残っていたら、
感謝の気持ちをこめて、二十日正月に食べきってしまうのもいいですね。