「インプラントって高いけど、どうしてそんなに費用がかかるの?」
そう思っている人は、きっと多いですよね。実は、インプラントの費用は歯科医院によって大きな差があり、同じ治療でも数十万円単位で変わることがあります。
この記事では、インプラントの最新の費用相場から保険が使える超レアなケース、そして費用を安く抑える具体的な裏ワザまでを紹介します。
- 前歯・奥歯・全顎のインプラント費用相場をわかりやすく比較
- 高額になる理由と費用を抑える5つの現実的な方法を紹介
- 保険が使える特殊ケースや自由診療との違いも詳しく説明
- 安くても安心できる歯科医院を選ぶための注意点とコツ
インプラントの費用相場はどれくらい?【前歯・奥歯・全部】

インプラントっていくらくらいかかるかというと、2025年現在、インプラント治療の費用は、1本あたり30万円〜50万円前後が最も多い価格帯です。
ただし、これはあくまで目安。治療をする歯の場所(前歯・奥歯)や、使う材料によっても費用は変わってきます。
部位別!インプラント費用の参考価格表
部位 | 費用相場(1本あたり) | 特徴 |
前歯 | 35万〜60万円 | 見た目の美しさ(審美性)を重視!天然歯に近いセラミック素材を使うため、奥歯より高くなる傾向があります。 |
奥歯 | 30万〜50万円 | 噛む力(耐久性)を重視!力に耐えられる強度が高い素材が使われます。骨造成などの追加手術が必要になることも多いです。 |
全顎(すべての歯) | 200万〜400万円以上 | 4〜6本のインプラントで全ての歯を支える「オールオン4・6」といった治療法が選ばれます。 |
「やっぱり高いな…」と感じた人もいるかもしれません。でも、同じ治療でも歯科医院によって価格設定が違うのが自由診療の特徴。なかには20万円以下で治療できるクリニックもあります。
注意!安すぎるインプラントのリスク
価格が安いのは魅力的ですが、「使用する材料費を抑えている」「海外製の安価なインプラントを使っている」といった理由の場合、保証内容や長期的な安心感が不十分な可能性も。安さだけでなく、治療実績やアフターケアをしっかり確認することが大切ですよ!
なぜインプラント治療は高額なの?費用の基本内訳
インプラント治療が高額になるのは、「ただ歯を入れるだけ」じゃない、いくつかの専門的な工程が含まれているからです。
費用の内訳 | 何に使われるの? |
検査・診断費 | CTスキャンによる骨の厚み測定、治療計画の作成など、治療の土台作りにかかる費用。 |
手術費用 | チタン製の人工歯根(インプラント体)を顎の骨に埋め込む外科手術にかかる費用。高度な技術が必要です。 |
上部構造(人工歯)製作費 | 実際に噛む部分(人工歯)を作る費用。セラミックやジルコニアといった審美性の高い素材を使うと高くなります。 |
メンテナンス・保証費用 | 治療後の定期的なチェックや、万が一の不具合に対応するための費用。 |
つまり、この価格には「安心して長く噛めるための精度と安全性」のコストが含まれているんですね。
前歯・奥歯・全部で費用が違うのはなぜ?
費用が違う主な理由は、「求められる機能」が異なるからです。
前歯🦷 | 奥歯🦷 |
---|---|
常に人目につく場所なので、色や形が天然の歯と見分けがつかないような審美性が最優先されます。その分、高い技術を持った歯科技工士さんの技術料が加算され、費用が上がりがちです。 | 食べ物をしっかり噛み砕く耐久性が重要です。力がかかるため、より強度のある材料が使われ、また、骨の厚みが足りない場合は「サイナスリフト」や「ソケットリフト」といった骨造成(骨を増やす手術)が必要になり、追加費用(10万〜30万円ほど)が発生することがあります。 |

インプラント費用を安く抑える5つの方法

「それでも、できるだけ費用を抑えたい!」というあなたへ。治療の質を落とさずに総額を減らせる、賢い5つの方法をご紹介します。
① 複数の歯科医院で相見積もり(あいみつもり)を取る
これは、高額な自由診療において最も効果的で基本的な節約法です!
インプラントの費用は、歯科医院が独自に設定できるため、地域やクリニックの方針によって大きく異なります。たった1つの医院の価格だけを見て決めてしまうのは、本当にもったいないこと。
最低でも3院以上でカウンセリングを受け、それぞれの治療計画と見積もりをじっくり比較検討してみましょう。
🔹 相見積もりのメリットって?
- 適正価格がわかる: 複数の見積もりを比較することで、「この治療内容ならだいたいこのくらいの費用が相場なんだな」という感覚(相場感)が正確につかめます。
- クリニックの比較ができる: 単に費用が安いか高いかだけでなく、先生の説明の丁寧さや、こちらの質問にしっかり答えてくれるかといった、信頼性に関わる部分も比較できます。
- 不透明な追加費用を避けられる: 後から「あれもこれも追加費用」となるリスクを避けるためにも、最初にしっかり総額を確認することが重要です。
🔹 見積もり比較でチェックすべき3つの重要ポイント
チェック項目 | 具体的に確認すべきこと |
治療の基本内容 | インプラント本体のメーカー名(例:ストローマン、オステムなど)、人工歯(上部構造)の素材(例:ジルコニア、セラミック)まで詳しく確認しましょう。 |
追加手術の有無 | 骨の厚みが足りない場合の骨造成(サイナスリフトなど)の費用や、その手術が必要かどうかの診断を比較しましょう。 |
保証内容 | インプラント体や人工歯に対する保証期間(5年か、10年か)、そして保証を受けるための条件(定期メンテナンスを受けていることなど)を細かく確認しましょう。 |
② 医療費控除を「必ず」活用する
インプラントは保険適用外(自由診療)ですが、「失った歯の機能回復を目的とした治療」であれば、医療費控除の対象となります。これは、治療費の負担を実質的に軽減できる、国が定めた大切な制度です!
🔹 医療費控除の基本
1年間(1月1日〜12月31日)に支払った医療費の合計額が10万円(または総所得金額の5%)を超えた場合、確定申告をすることで、所得税や住民税の一部が還付金として戻ってきます。
🔹 対象になるインプラント関連費用(広範囲!)
インプラント本体の費用だけでなく、関連する費用もまとめて対象にできるのがポイントです。
- インプラントの手術費、人工歯の作成費用
- 手術前のCT撮影やレントゲン検査、診断にかかる費用
- 治療中に処方された薬代(痛み止め、抗生物質など)
- 通院のためにかかった交通費(電車やバスなどの公共交通機関の利用に限ります)
🔹 還付金の目安は?
たとえば、年収400万円の方が年間で50万円のインプラント費用を支払った場合、所得税率に応じて約6万円〜10万円の還付金が見込めます。この金額は、所得が多いほど、また支払った医療費が多いほど大きくなります。
💡絶対に知っておきたいポイント
- 家族合算が可能! 生計を共にする家族全員の医療費を合算して申告できます。
- さかのぼり申請もOK! 治療を受けた年の翌年1月1日から5年以内であれば、過去の医療費についてもさかのぼって申請することができます。申告漏れがないか確認してみましょう。
③ デンタルローン(分割払い)を上手に利用する
「今すぐに治療を始めたいけど、まとまったお金がない…」という場合に活用したいのが、歯科治療専用のデンタルローンです。
高額な治療費のせいで治療を先延ばしにすると、残りの歯の健康に悪影響を及ぼし、かえって将来的に費用がかさんでしまうことがあります。デンタルローンを組んで計画的に支払うことで、「早期治療」を実現できます。
🔹 デンタルローンのメリット
- 無理のない支払い計画: 数十回から100回以上の長期分割払いが可能なため、毎月の支払額を抑えられます。
- 金利が比較的低い: 一般的なクレジットカードの分割払いよりも、歯科治療専用のデンタルローンの方が金利が低く設定されていることが多いです。
🔹 利用する際の注意点
- 金利手数料は控除対象外: 支払いの元本(治療費)は医療費控除の対象ですが、分割払いの際に発生する金利手数料は控除の対象外となるので注意が必要です。
- 契約前に総支払額を確認: 分割回数によって総支払額が大きく変わるため、契約前に最終的にいくら支払うことになるのかを必ず確認しましょう。

④ 海外製インプラントも選択肢に入れる
インプラントのメーカーは、スイス、アメリカ、韓国、日本など世界中にあります。実は、海外製のインプラントは、メーカーやブランドによって本体価格が異なり、国産に比べて安価なものを選ぶことで費用を抑えることができます。
🔹 主なメーカーの比較と特徴
メーカー名 | 原産国 | 費用相場(1本) | 特徴 |
ストローマン | スイス | 40万〜50万円 | 世界シェアNo.1。豊富な実績と高い信頼性。 |
ノーベルバイオケア | アメリカ | 45万〜55万円 | 審美性と耐久性のバランスが良い、老舗ブランド。 |
オステム(OSSTEM) | 韓国 | 25万〜35万円 | コストパフォーマンスに優れ、アジア圏で非常に人気が高い。 |
京セラ | 日本 | 35万〜45万円 | 日本人の骨格に合わせた設計。国産メーカーで安心感がある。 |
🔹 安価な海外製を選ぶ際の「選び方のコツ」
「安いから不安…」と感じる必要はありません。大切なのは、信頼できるメーカーかどうかです。
- 実績とシェア: 世界的に多くの実績があるメーカーを選びましょう。
- 部品供給の安定性: 万が一、将来的にインプラントの部品交換や修理が必要になったときのために、日本国内での部品供給体制がしっかりしているメーカーを選ぶのが賢明です。クリニックで採用実績が多いメーカーかどうか尋ねてみましょう。
⑤ キャンペーンやモニター制度を利用する
意外と知られていませんが、歯科医院によっては「モニター割引制度」や「期間限定のキャンペーン」を利用できる場合があります。これにより、治療費が通常の価格から10〜30%割引になることがあります。
🔹 モニター制度の仕組みと条件
- 仕組み: 症例写真や治療の体験談の提供に協力する代わりに、治療費が割引されます。
- 条件: 治療の過程や結果の写真が、個人が特定されないように配慮された形で、クリニックのホームページや広告に掲載されることが一般的です。
🔹 利用する際の最も重要な注意点
割引額が大きいのは魅力的ですが、費用が安くなることと、治療の質や保証は別問題です。
- 保証内容の確認: モニター割引であっても、保証期間やアフターケアの内容が通常治療と同じかどうかを契約前に必ず書面で確認しましょう。
- 割引以外の費用を確認: 「インプラント本体はモニター価格だけど、上部構造(人工歯)や追加手術費は通常価格」といったケースもあります。最終的な総支払額で比較してください。
インプラントで保険が使えるケース

インプラント治療は「自由診療(保険適用外)」が基本ですが、実は「例外的に保険が適用されるケース」がごく一部存在します。これは、一般的な虫歯や歯周病で歯を失った人には適用されません。
保険が使える主な条件(すべてに当てはまる必要あり)
条件項目 | 詳細 |
① 顎骨の欠損 | 事故、病気(腫瘍の摘出など)、または先天的な疾患(生まれつき歯がないなど)により、顎の骨を大きく1/3以上失った場合。 |
② 治療が困難 | ブリッジや入れ歯などの一般的な治療法では、噛む機能の回復が極めて困難と診断された場合。 |
③ 医療機関の条件 | 厚生労働大臣が認めた医療機関(大学病院など)で治療を受けること。常勤の歯科医師が2名以上配置されているなど、非常に厳しい施設基準があります。 |
これらの保険適用は、「機能回復を目的とした再建医療」として扱われるため、審美的な仕上がり(見た目の美しさ)を求めることは難しいのが現実です。
<保険適用の場合の費用目安>
自由診療で30万〜50万円のインプラントが、保険適用であれば約10万円前後で受けられるケースもあります(自己負担3割の場合)。
💡ポイント
保険でのインプラント治療を希望するなら、まずは「口腔外科」を併設している大学病院などの指定医療機関に相談しましょう。一般の歯科医院では対応できません。
自由診療と保険診療の違い
項目 | 自由診療 | 保険診療(特殊なケース) |
費用 | 30〜50万円(1本あたり) | 約10万円前後(3割負担) |
素材 | チタン、ジルコニア、セラミックなど多様 | 限定的(主にチタンなど) |
見た目 | 天然歯に近い自然な仕上がり(審美性重視) | 機能回復優先、審美性は低め |
場所 | 全国の歯科医院 | 大学病院など一部の指定医療機関のみ |
費用を抑える際に絶対知っておきたい注意点!安さの裏に隠れた落とし穴
「少しでも安くインプラントを!」という気持ちはよく分かりますが、費用を抑えることだけに意識が向いてしまうと、後で思わぬトラブルや後悔を招くことがあります。インプラントは長く使う大切な体の一部。安さの基準だけでなく、「安心」と「安全性」を基準に選ぶために、以下の3つのポイントをしっかりチェックしましょう。

1. 「格安=悪い」ではないが、医師の「実績」は必ず確認する
格安料金を打ち出しているクリニックの中にも、最新の設備を導入し、効率化を図ることでコストを抑えている優良な医院は存在します。しかし、中には技術力や経験が不十分な医師が担当する場合や粗悪な材料を使っているために価格が安いケースも残念ながら存在します。
🔹 医師の信頼性を確かめる3つのチェックポイント
チェック項目 | なぜ確認すべき? |
インプラント治療の症例数 | 経験の多さは、手技の正確さや、難しい症例への対応力に直結します。ホームページやカウンセリングで具体的な実績を確認しましょう。 |
専門医の資格・経歴 | 日本口腔インプラント学会の専門医や指導医といった公的な資格を持つ医師は、一定水準以上の知識と技術を持っている証拠です。大学病院での研修経験なども参考にしましょう。 |
治療方針の説明 | 安い理由を曖昧にせず、なぜこの価格なのか、使用するインプラントのメーカーはどこか、といった点を明確に説明してくれるかを確認しましょう。説明が不透明なクリニックは要注意です。 |
「安さ」よりも「安心と技術」を基準に選ぶことが、インプラントを長期的に成功させるための秘訣です。
2. 長期的な「保証制度(アフターフォロー)」の有無をチェックする
インプラントは入れたら終わり、ではありません。天然の歯と同じように、治療後も定期的なメンテナンスが必要です。そして、万が一の事態(破損や脱落など)に備えて、「保証制度」が充実しているかどうかが、そのクリニックの信頼性を測る大きなポイントになります。
🔹 保証制度で確認すべき2つの重要点
- 保証期間と対象部位:
- インプラント体(顎の骨に埋めるネジ部分):10年保証を設けている医院が多いです。
- 上部構造(人工歯や被せ物):材質によって5年〜10年と保証期間が異なります。保証の有無と期間を必ずチェックしましょう。
- 保証適用の条件:
- 多くの保証制度は、「クリニックが指定する定期メンテナンス(検診)を受けていること」を条件としています。メンテナンスを怠ると保証の対象外になることがあるので、条件を細かく理解しておくことが大切です。
保証がない場合、数年後にインプラントが破損してしまったら、修理や再手術の費用を全額自己負担しなければなりません。長期的な安心感のために、保証書の内容を契約前に隅々まで確認し、不明点は質問しましょう。
3. インターネット上の口コミや体験談を鵜呑みにしすぎない
「あのクリニックは安くて良かった!」というインターネット上の口コミやレビューは、医院選びの参考情報としてとても役立ちます。しかし、それらの情報を鵜呑みにしてしまうのは危険です。
- 個人の条件が違う: 顎の骨の状態、失った歯の本数、全体的な噛み合わせ、求める審美性など、患者さん一人ひとりの口腔内の条件は全く異なります。ある人にとっての「良い治療」が、あなたにとってのベストとは限りません。
- 「安さ」以外の評価に注目する: 「安かった」という感想だけでなく、**「医師の説明は丁寧だったか」「受付や衛生士の対応はどうか」「治療期間は予定通りだったか」**など、具体的な部分に注目して総合的に判断しましょう。
- 実際に会って相性を確かめる: 一番大切なのは、あなたと担当医との相性です。カウンセリングで直接話してみて、治療の疑問や不安を心から相談できる相手かどうかを見極めることが、最終的な満足度を左右します。
口コミはあくまで参考とし、実際にクリニックを訪れて信頼性を確かめるという手間を惜しまないことが、費用を抑えつつ成功したインプラント治療への一番の近道ですよ!際に足を運んで信頼できるかを見極めることが一番大切ですよ。
まとめ:賢く選んで安心のインプラント治療を!
インプラント治療は確かに高額ですが、知識を持って賢く選べば、費用負担を大きく減らすことができます。
最後に、費用を抑えるための3つのアクションをおさらいしましょう。
- 3院以上で相見積もりを取る!
- 医療費控除を忘れずに申請する!
- デンタルローンで無理のない支払い計画を立てる!
費用の安さだけでなく、「信頼できる医師」と「充実した保証・アフターケア」を重視することが、インプラントを長持ちさせるためのカギです。
あなたの未来の「食べる楽しみ」と「素敵な笑顔」のために、少しのリサーチと賢い選択をしてみてくださいね!
【Q&A】インプラントの費用と制度に関する「よくある疑問」
読者の皆さんが抱きやすいインプラントの疑問についてよくある疑問をまとめました。
- インプラント1本の治療期間はどれくらいですか?
-
一般的には3〜6か月ほどかかります。骨とインプラントがしっかり結合する期間が必要なため、治療計画に余裕をもって臨むことが大切です。
- 医療費控除は自由診療でも使えますか?
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機能回復を目的としたインプラント治療であれば対象になります。美容目的や審美性のみを追求した治療は対象外なので注意しましょう。
- 格安インプラントは安全ですか?
-
一概には言えませんが、安い理由を必ず確認してください。材料や保証、医師の経験に問題がなければ選択肢として悪くありません。ただし、「極端に安い」場合はリスクが高いので注意が必要です。

最後まで読んでくれてありがとう!インプラントは「一生の買い物」だからこそ、焦らずしっかり比較して選ぶのが大切です。この記事があなたの判断の助けになりますように!